部屋には鍵が
かけられていた

昨日もらった鍵を
差し込んで回すと
カチャって音が響いて
鍵が開いた

高鳴る心臓を抑えながら扉を開けた







部屋の中には何もない

浩太さんの姿もない

家具もない

ガラーンとした部屋

中に入っても
人の気配さえ感じない

部屋の真ん中に

“千穂へ”

と書かれた封筒

その横には、浩太さんの背中の龍と同じ龍が
描かれている絵が
額に収まっていた

私は震える手で
封筒を持ち
中の便箋を取り出した

私に宛てられた手紙

私はゆっくり読み始めた