私は浩太さんからの
プロポーズを待っていた

自分からは言えないから

馨さんと別れてから
3年が過ぎていた

私は浩太さんだけを
見ていた

仲良しさは拍車をかけた

どこへ行くのも
一緒だった

同棲したい…

その言葉も言えずにいた

全て浩太さんからの
言葉を待っていた

私はもうすぐ誕生日で
30歳を迎える

女にとっては
大きな節目だった

『もうすぐ千穂の
誕生日だね』

浩太さんの腕枕の中で
私は頷いた

『プレゼントは
何が欲しい?』

本当は指輪…
と言いたかった

でもその言葉を
しまい込んで

『何でもいいよ』

と答えた