私は浩太さんに
救われながら
馨さんとも関係を続けた

そんな日々が1年も
続いていた

馨さんが仕事を辞めた

それはお父さんの
会社を継ぐため

いよいよ結婚も
現実味を帯びてきた

別れが近いと
言われているのと
同じ事だった

私はそれを
すんなりと受け入れた
つもりでいた

わかっている事だから

ここまできて
だだをこねても
どうにもならない

そうなったら離れると
決めていたはず

ずっと前から

なのに、心の中では
あと何度馨さんに
抱いてもらえるんだろう

そんな事を考えた

終わりを受け入れる
勇気があるのか
不安に陥っていた

馨さんは仕事が
忙しくなり、なかなか
会えなくなっていた

私は辛くても
会いたいと言わなかった

だけど、馨さんは
少しでも時間があると
会ってくれる

疲れた顔をしながら
私には作り笑顔を
見せてくれていた

私を抱かずに
眠る夜もあった

体だけの関係では
なくなっていた事を
実感していた