正ちゃんに会ったのは
あの突然のキス
以来だったのに、結局
会うのは私の部屋

最後の最後に
誰かに見つかりたく
なかったから

正ちゃんに個室を
予約出来るような
計らいは出来ない
はずだから

予定通りの時間に
玄関のチャイムが鳴った

私はご飯の支度を
していた手を止めて
玄関の扉を開けた

私が笑顔で迎えたのを
驚いた表情で見ていた
正ちゃんは、少し
どぎまぎしながら
部屋にあがった

仕事帰りなのか
スーツ姿の正ちゃん

私は上着を受け取り
ハンガーにかけた

『お腹すいてるよね?
もうちょっとだから
待っててね』

『おぅ』

私の意外な行動に
驚いていた

いつもの正ちゃんとは
明らかに違っていた