馨さんは珍しく
私を食事に誘った

最後の晩餐には
ちょうどいい演出

待ち合わせをした
小料理屋はとても
お洒落なお店だった

馨さんの行き着けの
お店らしかった

私は少し遅れて
お店に入った

待たせてみたいと
思ったから

私を待っている
と思える優越感に浸る

個室に通されて
私は久しぶりに
馨さんと対面した

いつもと違う香水を
付けて、大ぶりの
ピアスをつける

ブランド物のバッグを
持って、頑張って
大人な演出をしてみた

私が個室に通されると
期待通り、馨さんは
私を待っていた

イライラし始めていた

タバコの本数が
それを示していた

それを見て、私は
優越感に満たされた