近付いてくる浩太さんの唇を私は拒まなかった

重なる唇が震えていた

もっと早くこうなる
べきだったと思うほど

長い長いキスをした

私はこの暖かさを
待っていた

そう言い聞かせた

浩太さんの胸に
飛び込むのが、少し
遅れていただけだった

もっと早く唇を
重ねておけば良かった

長いキスの後
浩太さんは照れたように微笑んだ

この先浩太さんを
傷付けるだろうと
何度も考えた

それでも私には
浩太さんが必要だと
思えた

私がここから抜け出す
為には、浩太さんが
必要なんだと思う

きっとそうなんだ…

私の目の前に現れた
救世主なんだ

私はそれを手放しては
いけないんだ