浩太さんの優しさを
たくさん感じた

とても優しいその瞳には私の姿が映っていた

この人の目には私が
しっかり見えているんだ

私だけを見ているんだ

ずっと求めてきた事

私だけを見てくれているそんな人を待っていた

それが浩太さんなの?

信じるべきなの?

捨てられる前に
私から縁を切る時を
迎えたのだろうか?

何も言えないまま
浩太さんの瞳を見つめた

『浩太さん…』

『俺なら大丈夫だよ。
千穂ちゃんの力に
なってあげられる』

また抱きしめられた

その力強い腕の中で
浩太さんの鼓動を感じた

少し早く聞こえる
浩太さんの鼓動

私は浩太さんの胸から
顔を離して、浩太さんの目を見つめた

言葉を交わす事もなく
ただ目だけを合わせた