花火大会の会場は
すごい車の列だった

ちょっと遠くても
我慢すると言って
離れた駐車場に停めた

良かった…ペタンコの
靴を履いてきて

歩いて行くにつれて
人混みがすごくなった

浩太さんについて
歩くので精一杯だった

ドンッ

人にぶつかりながら
歩いていく

何度も前を歩く
浩太さんを確認した

浩太さんは何度も
振り返り、私を確認した

それでも容赦なく
人の波は私を襲った

ふわっ…

私の右手に暖かい感触

浩太さんの手だった

『迷子にならない
ようにな』

グッと引き寄せられた

私の心臓はドキドキを
早まらせた