ここに正ちゃんが
来たらマズい

何が何でも言えない

言わなかった事を
正ちゃんは変に解釈した

『男と飲んでるの?』

そんなんじゃないのに

いくら否定しても
正ちゃんには
伝わらなかった

私は店から出て
タバコを片手に
話していた

正ちゃんのやきもちも
なくなっていたのに

なぜ?

酔ってるから?

イライラが募る

『どんな男?』

正ちゃんの妄想は
膨らむ一方だった

私は否定しながら
正ちゃんには何て
言えばいいのか
言葉を選んでいた

でもどうにもならない
正ちゃんの態度に
ついに本当の事を言った

『正ちゃんの彼女の
知り合いと飲みに
来てるのよ。ここに
正ちゃんが来たら
マズいに決まってる。
私達の事バレちゃうよ』

正ちゃんはようやく
納得してくれた