『俺、最初はただの
お遊びのつもりだった』

『知ってるよ』

『今は…千穂が傍に
居なきゃイヤだ』

子供のような瞳で
私を見つめた

女の扱いが上手い
あなたの口から出る
言葉は、信じられない

ここで信じたら
泣くのは私なんだ

素直じゃない私

『大丈夫。離れないよ』

そう言ったら、満足?

それでいい?

人を信じるのは難しい

私は人を信じられない
人間になってしまった

どこまでこの関係が
続いていっても同じ

私たちが一緒に
居られる事は永久に
訪れないから

でも今支えてくれるならそれに甘える

一瞬だけの支え
だとしても…

今は馨さんの優しさに
甘えるしか方法がない

大介を失った私には
支えが必要だった

小さな心に芽生えた
恋心がようやく実った

その時には私には
恋愛出来る心の余裕は
残ってはいなかった

せっかく必要として
くれていたのに

好きなのに結ばれない
初恋は夢のように
消えていった

もう大介の声も
聞く事は出来ない