それなのに、別れはすぐに訪れた

彼の家で、テレビを見ていた時

彼が真面目な顔で私を見ていた

来る!

そう思って、私の体は硬直していた

彼の顔が近付いてくる

そう思った瞬間

私の頭の中は彼を拒んだ

そんな事したくない

『いやっ!』

私は彼の家を飛び出した

彼は追いかけてすら来なかった

追いかけて欲しかったわけではない

むしろ、ホッとした

本当に彼とキスをするのが嫌だった

大ちゃんなら受け入れていたのに

久しぶりに大ちゃんの顔が浮かんできた

その後、彼は学校に来なくなった

私のせいではない

そう思うようにした

元々、学校にはあまり来たがっていなかった彼なんだから

ただ私が拒否した事は彼にとってどんな気持ちだったのか

今でもそれは知らない

ただ、その後の何日かは彼から何かあるかもしれないという恐怖が付きまとった