それから1ヶ月ほど
経ったある日

正ちゃんから電話がきた

しばらく音信不通に
なっていた正ちゃん

そのまま終わるんだと
勝手に思っていた

久しぶりに会う
正ちゃんは少し髪を
短く切っていた

仕事帰りのままで
スーツ姿だった

『やっぱり千穂に
会ってないと、寂しい。1ヶ月我慢したけど
やっぱり会いたかった』

と話し始めた

自分が勝手に怒って
いたくせに

まずは謝って欲しい

でも私は正ちゃんの
彼女でもない

なぜ束縛されなきゃ
いけないんだろう

私が何をしようと
正ちゃんには関係ない

言おうと思って全て
口には出せなかった

その代わり、その言葉
全てを正ちゃんが
言っていた

そんなの全部頭では
理解してるのに…

と付け加えて

正ちゃんはわかっていた

それでもうまく自分を
コントロール出来ないでいただけなんだ

私を弄んでいたはずの
正ちゃんはいつの間にか感情に流されていた

私の気持ちを振り回してよくそんな事が
言えたもんだと思う

そう言ったら、私が
正ちゃんから離れない
からなのか

また私の心が
かき乱される

突き放したはずの
正ちゃんへの気持ちが
引き戻されていく