仲の良かったお友達や大ちゃんの思い出をたくさん胸にしまって新しい学校に転校した

田舎育ちの私には都会の匂いがした

私は負けないと誓った

明るく振る舞った

もちろんバスケを続けた

ためらいもなく新しいお友達を作った

働き始めたママと小さな弟と貧しくても楽しい生活を始めた

弟を保育園に迎えに行ったりもした

家事も手伝った

自然と街に溶け込んだ

パパに会う事は無かった

ママが会わせなかったのかもしれない

それでも良かった

ママが幸せなら

弟が幸せなら

それで私が幸せになれる

自然に大ちゃんの事も忘れていった

傍に居なければ忘れていく

人間の定めなのか

だとすれば、とても悲しい定めだった