「そういえば、最初の変な喋り方はなんだったんですか?」

「へ、変でした……?」

「めちゃくちゃ変でした」

「深く傷つきました」


いいから教えろと目で訴えかけてくる。


「ほら、私ってコミュ障だって話したじゃないですか。初対面だとどもりまくっちゃうんでゲームキャラを自分に憑依させるという技術を身につけたのですよ。どやっ」

「そっちの方がすごい気が……」


その後少し談笑して、やっと教室に行くことになった。
あー緊張する。帰ろうかな。


「では今から……うん、今はちょうど全校集会が始まった頃ですね。行きますか」

「……えっ? え、ちょっと待ってくださいよ全校集会ってなんですか私見世物にされるんですかまってまっていやだぁああぁあぁぁぁあ」

「あはははは」


腕を引っ張られて引きずられていく。
気分はドナドナの子牛の気分だ。


「……どなどなどーなーどーなー……子牛を乗ーせーてー……どなどなどーなーどーなー……荷馬車が揺ーれーるー……」

「ちょっとこっちまで鬱になるからやめてくださいよ……」

「もう私は鬱なんですけどねー」


やっぱ無断欠席しとくべきだったか……