「じゃ、呼んだら入れな」
九重先生が私に気を使ってくれて嬉しい。
嬉しい、が。だよ!!
つつつついにこの時が来てしまった……
ガクガクガクガクと体が縦に大きく振動している。
もう無理怖いいいいいいい
ああああ帰りたい永遠に篭っていたい外に出たくない人と接したくないいいいいいいい…………
「……わ? 南川!」
「ぴッッッ⁉︎」
よ、呼ばれてた……うぅ怖い……むり……
「はい、今行きます」
呼ばれてとびでてジャジャジャジャーン!!
無愛ちゃん…だ……よ…………
やっぱ無理。よし、心を殺そう。
「おい、南川? 自己紹介できるか?」
教室にいる生徒には見えないが、小刻みにカタカタと震える私を見かねて九重先生が声をかけてくれた。
「……南川無愛」
はいぃこれだけで精一杯でっす!!
あぁぁこのクラスの反応……絶対に愛想悪い奴だと思われたよやだぁ……
よくないよ……よくない流れ来てるよぉこれぇ……
そう思いながらクラスを見回してみると見知った顔が一つ。
(びゃぁぁぁぁああああ!! 学校の前であったわけわかめ鬼怒り星人ンンンン!!!)
まあ、動揺したさ。
心の中で変な渾名付けちゃうくらいには動揺した。
だってあの人なんかこえぇんですもん。
世間的には顔が良い分類に入る人が凄んだらマジ怖いじゃない……?
てかその人の周りもイケメンばっかりじゃない?? え? なんでその中心の席だけ空いてんの? なんで私はそこに誘導されてんの?? え? 高校生活の難易度ゲロ高くない??
「げふぅッッ……!」
とりあえず一時間、このアウェイ空間を乗り越えた。
元々遅刻してたからもう今日は授業は終わりだ。めでたし、めでたし。
で、終われば良かったんだけどね……!!
めっちゃ睨まれてるー!!
イケメン共にすごい睨まれてるー!!
もうストレスで吐きそう!!
唯一近くで睨んで来ていない人と言えば、隣の席の平凡な顔立ちをした桐島(キリシマ)君だけ。しかもちらっと見て目が合った時なんて微笑んでくれたし。もう桐島君だけが癒し。
まあ私は微笑み返すどころか目が合ったことにビビってそわそわしながら別の方向向いちゃう始末だからね。もはや達人並みの陰キャ具合に目も当てられないよね。



