高校に入ってからが人生。
前に部活の先輩に言われた言葉だ。本当なのだろうか。確かにその先輩は彼氏も出来たし、親友も出来たらしい。私の人生は高校からなのだろうか。


学力もまぁまぁあった方だから進学校へ入れた。アイツも同じくらいだった。やっぱし同じ学校になったし、同じクラスにもなってしまった。遡る事まだ何も知らなかった入学式。



受験日に丁度友達になった"咲妃"と一緒がいいねー!とありきたりな女子のやり取りをしていた。咲妃の名前は1組にありすぐ見つかった。何処をみても肝心の自分の名前が見つからなかった。学校側の手違いで書かれてなかったのは後でわかった。その時は入学式に間に合わないため、咲妃には先に行って貰った。すぐに先生に聞きに行こうとした時、アイツが居た。同じく名前がなかったらしく、こっちを見てきた。最後に話したのは中学の入学式だったはずだ。あとはメールくらいだったかな…思っているところにチャイムという名の学校での生徒の時間の縛りが割り込んできた。
ハッとした途端に走っていた。頭が追いつかず状況を確認したら前にはアイツが。しかも手にはアイツの手があった。運動部だったアイツは中学入学時よりひと回り大きくなって、見上げないと目が合わせられなくなっていた。
まぁ私が伸びてないのもあるけど…
その180くらいあるアイツが私の手を握って全力で走ってるものだから文化部で体力無し子の私は直ぐ体が追いつかず立ち止まった。