「ヴーヴー」


携帯のバイブが鳴り響く。

手を伸ばし、携帯の光に目を凝らしながらも指を動かしていた。


〔 市立病院︰先日の悪性リン...〕


内容を全部見た訳ではないのに涙が私の頬を伝う。


気を紛らわそうと財布を掴んで、小さいカイロを持って家を出ていった。

「さむっ...。」

外に出るなり厚着で来なかったのを後悔した私はブルっと体を縮こまっていた。


1歩歩く事にさくっと心地よい音を覚えた私は

雪が降る中、1人道の真ん中ではしゃいでいた。


ふとガラスにうつる自分の顔。

痩せこけて病人のような顔だった。


「いつからこんな風に...。どうして私なのっ。」


我に返った私は道路の真ん中に突っ立っていた。


するとそこに...。


「___キィィーー!!!」


『っ!!』


いきなりの出来事に何が起きたか分からなかった。