「今年初の雪が降るでしょう。既に大雪となっ...」
──ブチッ。
私はリモコンを強引にソファへと投げ捨てた。
高校三年生にもなってメイクすらしてない顔。
腰まであるアーモンド色の長い髪はここ最近手入れをしてない。
かったるそうに時計を見つめた後、ひとりでに呟いた。
「死にたくない...。」
私の余命はあと1年。
病名は〝悪性リンパ腫〟私の身体全身に広がっている。
防ぐ事は難しくて。
私はもう、辛い人生を歩むしかない。
この人生が変わることもない。
母は父の暴力が原因で自殺し、父はそれを私のせいだと言う。
反抗した私に父は暴力を振るい、私が目が覚めた時には父の姿はなかった。
いつからか精神的に疲れていた私は変わった。
メガネをコンタクトに変え、短かった髪を伸ばして。
髪を染め、ピアスの穴を開け。
いつの間にか私は外見だけでなく、内面も変わってしまった。
普通じゃないことが普通になっていた私。
それを止めてくれる人は誰もいなかったんだ。