その佐野さんが意外な事を言い出した。

「中学の時、アンタたち2人は些細な事でケンカしたよねー? 仲直りした時に決めた事、覚えてる?」

「決めた事?」

 オレを鋭い視線で見ながら佐野さんは話しを進める。

「どんな事態になっても自分たちの関係は崩さないって決めていたハズだよ」

「そう…だったかな?」

「渋谷くんや沙耶が忘れていても私は忘れていないから!」

 中井が言う。

「せっかくの決め事を、渋谷の方が守っていないじゃないか?」

「オレは別にそんなつもりは!」