私の家族は5人。



優しい長兄の麗。頼れる次兄の聖。留守中の祖父の清。

思春期の弟光。祖父に同行中の父の透。



家は裏と表どちらにも存在していて、

私は両方の家の手伝いをしてるが、基本は裏関係の者だ。



世界No.1。

この座は溺れてはいけないが、自覚しないのもまたいけない。



私はそう考えた後、自覚し警戒も時々している。



情報は大事だ。



富を得るには世間の事を知らなければならないし、

生きる中で得てきたものは皆引っくるめて情報だ。



ハッキング。

情報屋。



使えるものは使っている。



だから、先程の光の電話の状況が非常にマズイことはすぐに分かった。



光は、

2、3年前から思春期なのか私といるのを恥ずかしがるし、反抗もする。



会えば構いたくなるのを知っているから、

そもそも会おうとしないし、捕まえなければ必要時以外会話もしない。



そんな光から電話が掛かってきたと同時に、助け…という言葉。



それに、聞こえてきた周りの音もだ。



煩かった。

盛り上がってるというより、争っているような。



…光はいつからか、私が昔出入りしてした暴走族で副総長をしていた。



暴走族の名前は桜凛。

全国トップの正統派の族だ。



必要時以外会話しない光からの電話。

掠れた助け…という声。煩い周り。

全国トップの暴走族。



これらをふまえて、追い打ちをかけるものは情報。



それは、端的に言うと桜凛が異端派の連中に狙われているというもの。