私の大きな声で、皆の視線が一気に集まる。

不動くんはそんなのおかまいなしに、私の腕を引いてくる。

「大変なことになった。」

不動くんはそう低くささやくと、私を店の外へと引きずり出した。


ヘルメットを投げられる。

バイクに乗れということだろうか。

「不動くん!」

私は強く彼の名を呼んだ。

不動くんは振り返らずに、低く答えた。

「陸丘 王真がやってくる。

奴の本当の姿、見せてやるよ。」