どうやら話し始めると長くなるらしく、さっきの倉庫に戻ってきた。

ショウマの姿は無かった。

シオンさんは黒いソファに座ると、話し始めた。

「ここは俺たちのアジトだ。

特に名前はないが、周りから『龍翔』って呼ばれてるグループのな。

やってることは暴走族とほとんど同じだ。

喧嘩して、バイクぶっ飛ばして。

陸丘 王真は、そういう世界で有名な奴なんだ。」

そこでシオンさんは一度言葉を止めた。

「最強の男として?」

声が途中でかすれる。

シオンさんは深く頷き、話をつづけた。