「涙目でそんな事言われたら余計愛ちゃんが愛しくなっちゃうよ。」
先輩……。
「莉奈さんとは何があったんですか?」
私は先輩に聞く。
「…告られたんだ。今朝、いきなり。それであんな事があったわけ。だけど…」
「……だけど…?」
「これからずっと愛ちゃんしか見えないって言って振ったよ。」
「…先輩…。」
「俺、こんな本気になったの愛ちゃんが初めてだから。」
……先輩………。
「私もです。先輩は初めて本気で好きになったんです。初恋です。」
私が言うと先輩は笑って私の髪に優しく触れる。
「よし、じゃあお昼にしようか。移動しよう。」
先輩は私に言う。
……え……
「どこにですか?」
私が聞くと先輩は笑って私の前に手を差し出す。
私は先輩の手を取り席から立つ。
そして弁当を持ち先輩と手を繋ぎ教室を出た。


