「朝……旧図書室の前で見ちゃったんです。」
私は先輩に言う。
「……え……」
「り、莉奈さんが…せ、先輩に抱きついて…その後…キスしたの…」
思い出しただけで嫌な気持ちになる。
「嫌な思いさせてごめんな。」
先輩は私の頭を優しく撫でる。
「ごめんなさい…先輩は悪くないです。ただ…先輩が…他の誰かに触れられるの見るのが…嫌だったんです…」
先輩はそんな私をどう思うかな?
すぐに妬いちゃうんだよ?
嫌かな……
だけど
「やばい嬉しいんだけど。」
先輩が言う。
………え………
私は先輩を見る。
「嫌にならなかったですか?昨日だって辛くて私帰ったんですよ?」
私は先輩に聞く。
「愛ちゃんに想われてるってわかると嬉しいよ俺は。」
「先輩……。」
先輩の言葉でモヤモヤは少しずつ消えていく。


