「お、お弁当持って来ました…」
――昼休みになると三年の校舎にいる派手な人達にびくびくしながらも先輩にお弁当を届けた。
「ありがとう。」
先輩は笑って言うと受け取る。
大丈夫かな…。
「やるじゃん和樹。」
先輩の友達が先輩に言う。
「うるせぇよ。」
先輩はそう返すと弁当箱を開く。
――ドキドキ…
「わっ…卵焼きしょっぱそう…茶色くない?」
先輩の友達が言う。
……う……
だし入れすぎたんだよね……
先輩…大丈夫かな?
しょっぱかったらどうしよう……
だけど
「俺、しょっぱいの好きなんだ。ありがとう、愛ちゃん。本当美味しいよ?」
先輩は食べると笑って言う。
先輩……。
「おい、愛ちゃんがせっかく作ってくれたんだからそういう事言うなよな。」
先輩は友達に言う。
「悪かった。」
先輩の友達はそう言うと私達から離れる。