――ガチャ


「ただいまぁ…」

私は家に帰る。


文化祭、先輩と仲直りできて最高だったなぁ。


すると


「おかえり、愛。」

裕君が迎えた。


「裕君…。」


裕君の事、何とかしなきゃ。


そう思っていると…


「俺、今日ここ出るから。」


「……へ?」


裕君…?


「父さん達、こっちで仕事する事になって…新しい家も買ったらしいんだ。」


「そ、そっか。」


「今、俺が通ってる中学に通わすのが父さん達の夢だったから…」



裕君の両親厳しそうだもんね…。


「俺、愛を諦めるから。」


「……え……」


私は裕君を見る。


「さっき、あの先輩と愛が話してるの見た。」


「……え……」



見られてたんだ…。


「どんなに頑張っても敵いそうにない。これからは友達でよろしく。」


裕君が言った。


裕君……。


「うん!!」


私は笑って答えた。