気が付いたら先輩の肩に寄りかかり私は眠っていた。


目は開けられないものの何となくわかった。


先輩がおんぶして旅館まで戻り、私を布団まで運んだんだと。


結局


最後の夜も先輩と何もしてない。


“キス以上”を知らないまま私の旅行は終わりだ。




―――翌日。


「せ、先輩…私…」


「爆睡してたよ?可愛いね。」


私が起きると先輩が笑って言う。


「すみません。運んでくれたんですよね?」


私は先輩に謝る。


「いいって。愛ちゃん軽いし。」


「そ、そですか?」


良かった…


軽くて……


「そろそろ朝食だから、食べたら用意して帰ろうか?」


「は、はい…」


もう


終わりかぁ……



寂しいな。


結局何もなかったし…

それは寝ちゃった私が悪いんだけど。



裕君との事もあったからなぁ……


でも


このままで良いのかな?


本当に……