しかも、何を思ってかそいつはことある事に私に突っかかってくるんだよなぁ。
ほかの可愛い子とでも話せばいいじゃん!イケメンよ!
あんたと話す度に女子達から睨まれる私の身にもなってよ…

「ねぇ、東雲さん」

うわー、
さっそく話しかけてきたよ…

『何か用?名取くん』

あーもー。
周りから、
なんであの子が名取くんと話してるの!?
っていう視線とひそひそ話が聞こえてくるよ…
私悪くないし!?話したくて話してるわけじゃないからね!

「俺、数学の教科書忘れちゃって。見せて欲しいんだけど…いい?」

『…は?』

貸してくれるかっわいい女の子なんていくらでもいるでしょーが!
ほら、周りを見て!?
みんな教科書持ってスタンバイしてるから。

「みんな、ごめん。名取さんに借りるから大丈夫だよ」

キラーん
って効果音が付きそうなくらいのキラッキラの笑顔を振りまいて…
女の子呆然としてるよ?
チャイム鳴るよ?

「じゃ、よろしくね」

『…チッ』

あーあ。
また視線が痛い。