「先輩!?」

正直笑いそうだ。
こんなに豪快に転ぶ人初めて見た。
笑わない、笑わない…

「床大好き。あ、私転んだ訳じゃないから。」

「んぐっ……!わ、分かってますよ…」

必死になって転んだのを隠そうとしている。
ダメだ。笑ってしまう。

ゆっくりと体を起こして制服に付いたゴミを払う。

「あ、先輩ちょっとストップ。」

一歩前に出て先輩に近づく。
すると、フワリと優しい匂いが香る。
いつものシャンプーの匂いだ。