「柚子っ!!」

「大丈夫?!」

「なんて酷い!!」


平助達も慌てて駆け寄り、柚子の顔を確認するや否や心配の表情から怒りの非常に変わる。

「女の顔に傷を作るとはお前らどういう神経してんだ!!!」


その後、激昂した土方によりボコボコにされた男達は逃げ去って行った。


土方が振り返ると柚子は目を見開き、血色を失った唇を震わせていた。


「夢…じゃないの……?」


頰の痛み、生ぬるい風、よもぎ団子の甘さや食感…夢ならば感じるはずのない五感。


全てに気づいた柚子は恐ろしさに震えが全身に回った。