「愛翔さ、ちゃんとお父さんには伝えておいた方がいいよ?今のうちに、ね・・・」

「うーん・・・分かってはいるんだけど、言いにくくて・・・お父さんなんかさ、オレに超期待してくれているようだし。でもね、お母さんにはもう何となく伝わっていると思うよ。オレが夏蓮と一緒に行動してる時点でね」

「そっか・・・」

「でもオレは、お父さんの会社より、夏蓮とつくる会社の方が絶対楽しいと思うし、夏蓮が気にする必要なんて何もないからね!オレみたいなのなんて、お父さんの会社にはゴロゴロいると思うから!」

愛翔みたいなのは、世界中を探してみたところでいないと僕は思いますけどね。

愛翔は、自己評価が低いからな・・・。

「で、夏蓮聞いて?テストが終わったオレ達にいい知らせがあるよ!」

「何?」

「なんと、オレ達に相談したい事があるんだって!」

「マジで!」

「うん、もう少ししたら来ると思うからここで待ってよう」

「OK」

今、僕達は通称"愛翔専用ルーム"にいる。この学園につくられている、愛翔と僕しか勝手に入る事のできない部屋の事だ。ちなみに、学園の中に30部屋くらいある。



コンコン

きたね、僕達の久々の依頼は何だろう・・・・・・??


「失礼します」

「「どーぞ、入ってきて~」」

おっ、なかなか好印象な外見してるじゃん!

爽やか好青年って感じの男の子だー。

「ボクの名前は、蓮見晃(はすみあきら)です。この学園の中等部の2年です」

「その蓮見くんが僕達にわざわざ何の用事があるのかな?」

「実は、ボク・・・ボク・・・この学園の高等部の女の方に迫られているんです。・・・ボクの両親の会社の事で脅されながら・・・!!お願いです!ボクを、ボクの両親の会社を助けて下さい・・・・・・!!」

「わーお、なかなかディープな話題だね」

「でも、こういうのなら、愛翔とかが向いてるよ」

「オレ⁉どこが⁉」

「だって、愛翔の会社儲かってるみたいだし、愛翔自身、自由に使えるお金結構あるでしょ?」

「まあ、ね・・・。でも、オレ、蓮見くんの言ってた女と話すのは生理的に無理かも・・・。オレ、そういう女と話すと全身にじんましんが出るから・・・」

「あー・・・愛翔って以外とそういうのに弱いもんね。なら、ここは僕の出番かな?・・・でも、お金の事は愛翔だからね」

「ほいほい、100億未満ならいくらでも出しますよ」