振り向かなくてもわかる。


「四季くん?」


何の不思議もないこの光景。


雨に降られて傘を取りに行く女子と

それに遭遇する男子。


ありふれた出来事にいちいちドキドキしてる私。


「傘、無いの?」


「え、あ。そうなんだよ。

だから職員室行こうと思って」


“じゃあ、まだ明日”


そう言って

四季くんの横を通り過ぎようとしたら

突然腕を掴まれた。


「もし良かったら入ってく?俺の大きいし」