「なんで私達って、…なーんにもしないんだろうね。」




ある日彼女が言った。ずっとこれが"普通"だと俺は思っていたが、彼女は違ったみたいだ。


確かに、他の付き合っている奴らと比べれば、俺達は何もしていない。だが、ちゃんとダチより長く一緒にいるし、登下校だって一緒にしている。



そうか?と言おうとしたら、彼女がスタスタと先に行ってしまったので言えなかった。今日はご機嫌斜めらしい。こういう時は一人にしとけと、姉ちゃんに散々教え込まれたから、俺は追いかけない。 


彼女も先行っちゃったし、俺はぼっちで家まで帰った。