あたしは無意識に前髪を手で押さえていた。
「……」
な、な、何事…っ?!
あの坂本くんの口から「可愛い」って出てきたんだけど…え…ちょっと。
パニック…
「おい」
真後ろで声を掛けられ振り向くと、無表情の涼介くんが立っていた。
「席つかねーの?」
「あ……そ、そうだね!つかないと席!」
「優、どうした?」
涼介くんは顔を近づけて、あたしのおでこに手を当てる。
「へ? 何っ、涼介くん!」
「いや、熱あんのかなって。お前すげー顔赤いよ?大丈夫か?」
「え!顔赤い?」
「うん。トマトみたい」
あたしは両頬を両手で挟む。
あ、熱い…
あたし照れてるのか?
そうだ。さっきの坂本くんの発言で照れてる。

