借りていた本を返しがてら、優太と飲むことにした俺。

ついでに純哉も誘って連れて行った。

純哉と優太。けっこうタイプが似てると俺は思う。

今日もこうして付き合ってくれるってことは、純哉も不快に思ってる訳じゃないってことだろう。



     *****


「優太、これ、さんきゅ」

「どうだった?面白かった?」

「や、俺には面白いっていえるまでは無理だったけど…」


将来この分野での研究に進みたいといっていた優太にとっては面白いと言えてしまう代物なんだろう。

頭のいいやつの考えてることは俺にはわからない。


「あ、そういえばこれアヤノちゃんってスゲー美人が持ってきた」

「アヤノに貸してたの忘れてたカラ」


コイツは帰国子女でたまにイントネーションがおかしい時がある。

知り合った頃、笑いながら話してくれたけど、そう言ったときの照れた顔は男の俺でもちょっとかわいいだなんて思った。

ていうか、アヤノって呼び捨てにするぐらいだからけっこう仲いいのか?


「アヤノちゃんってさー」

「ん?」

「優太の友達?」

「ジュンとオレと高校が一緒だった」


そうなんだ。
なるほど。
だから知り合いっていうだけなんだ。


何故かほっとしている自分を気のせいと思い込んだ。

その間、隣で純哉は黙って酒をのみ続けていた。

そこにジュンがやって来た。