「朔也くんって、彼女とかたくさんいるんでしょう?」


目の前の女は、上目使いに甘ったるい声で質問する。


「やだなぁ。たくさんなんていないよ」


そして、微笑む。

最近ずいぶんとご無沙汰だったし、今日ぐらいは持ち帰っておくかと狙いを定める。


「えーだってすごいもてそうだし」


まぁね、

でも欲しい女にはずいぶんと嫌われたけど


「そんなことないよ、俺って案外寂しいヤツなんだよ」

「えー見えなぁーい」

「……慰めてくれる?」


甘い声で耳元で囁いて、

これで、いただきだな。










「…楽しかったよ」


まどろんでる女をホテルにおいたまま帰る俺。


で、結局満たされるのはその時の体だけで

心は満たされないまま、 ただこんなことを繰り返す。

こんなこと、空しいだけだってわかってる

だけど、一瞬でも埋めてくれるなにかが俺には必要だった。


たとえそれが愛なんかじゃない

偽りのそんな時間だとしても