ひとしきり泣いたあと、
お姉ちゃんの方を見る。

「姉ちゃん。いい人、捕まえたね!

なるなら安心だ…へへ……」

「お嬢様、旦那さんも奥様も心配しておいでです。
婚約者である、晴人様も。
一度お屋敷に戻られてはどうですか?」

戻っていいの?
また晴人と一緒にいられるの?
だってもう何年もやってるんだよ?
許されるはずがない……

「何を悩まれているんですか?
あなたは今でも蓬莱の娘ですよ?
戻って良いんですよ」

「花、戻りなよ。
この家にはたまに帰ってくればいいんだから。
いつかこんな日が来るって思ってた。
ほら、菜月。行っておいで……」