「な……る?」

「はい、お嬢様。
生きていらしたんですね」

私は両親や姉の目など気にせずに
なるに抱きついた。
「なる、ごめんね…1人にしてごめんね?
生きててよかった……」

私の今の両親は本当の親じゃない。
誘拐され何とか逃げ出したところを
拾って育ててもらった。
小さい頃は記憶が混乱していて
落ち着いた頃にはもう3年後…
だから言い出せなかった。

「お嬢様、それはこちらのセリフです。
お守りして申し訳ありませんでした」

「違う!
私が出かけたいっていったからいけないんだ…」

散々なるの腕の中で泣いた。
今までの分を埋めるように…