「君は、肉は好きかな?」



先輩は唐突にそう言った。



「恐らく、人並みには。…先輩は?」



「好きだったよ。今はそうでもないが」



何故かと問いかけようとして、やめた。私は地雷を踏んでしまったのかもしれない。


そもそも私と先輩は、そのような立ち入った話をする関係ではないのだ。



「…どうして急に、そんな話を?」


「僕が急に話し出すことなんてよくあるだろう」


可笑しそうに笑いながら先輩は言った。
余り気にしていないのだろうか?
ただの私の勘違いだろうか。


「肉は、命だろう?」