はぁーとため息をついて蒼衣先輩は『messenger』の部分を何の迷いもなくビリッと破ってあたしにくれた。



「スペルはあっているからこれで調べてみたら?」


「ありがとうございます」


丸くなく角ばってもなく滑らかな字。



「先輩って字キレイなんですね」


「人に見てもらうものだからね。
字は丁寧に書かなきゃ相手に伝わらないかもしれないから」



そっか…
字って人に見て貰うために書く場合がほとんどだ。
パソコンで打って印刷が今はほとんどだけど…
字で表す場合ってたまには訪れるよね…?



「いつまで紙を見ているの?
早く調べてみれば」


「はいっ!」



ついつい先輩のキレイな字にみいってしまった。


ってみいっている場合じゃない。
あたしの今やる事は『messenger』を調べる事。


ABCDE…M……


紙辞書って引きずらい。