“図書館の本の整理―――”


なんだそりゃ？
そもそも……。


「うちの学校に“図書館”なんてあったんですか？」


「図書館くらいどこの学校にもあります」


“校舎の奥にあるからみんな知らないだけ―――”とちょっと苦笑いをした平本先生。


本の整理か……。

なんだかおもしろそうだな。


「先生っ！ それ手伝います」


「はっ？」


間抜けな顔。
けど先生、あたしは本気だよ。


「図書館の本の整理を手伝うので補習を“無し”にしてください」


「ダメです」



ちっ、それはダメだったか。
だったら……。


「補習のプリントはやります。
だけど放課後は図書館の本の整理を手伝わしてください」


「うーん……」


平本先生はアゴの下に手を添えてちょっと考えている。

もう一押し。


「プリントは家で“しっかり”やります」


「…… わかりました」