「藤兄ってあんな事言うんだ。

昔から知っているけど彼女にあんな優しく接する姿、初めて。
人間変わるもんだな」


「如月さんって…
カッコいい」



『誰かに気持ちが揺らぐ事は無い』だなんて言われたらあたし倒れちゃうかも。



もし福島先輩にそんな事を言われたら…


「俺は夏帆以外好きになら無い」


「福島先輩…」



キャー!!!
あたし絶対倒れちゃう。

けどそんな事言われてみたい。




「秋元さん、妄想中悪いんだけどそろそろ月岡さんが来るよ」


「ホントだ」


ずっと妄想していたあたしは梓と如月さんが一体何を話したのか分からない。

ただ分かることは…



「もう分かったか?」


「わかった♪」


梓の腰にしっかり手を回して、立っている梓を見上げている如月さん。


梓は梓でさっきまで目には沢山の涙を溜めていたのに今はその涙が消えている。


そして如月さんから瞳を離さずずっと笑っている。



「ほら、行ってこい」


「うん♪」