一応知らなかったとはいえ、謝らなきゃね……。
「別に気にしていないから大丈夫。
だから早く本、運んできて」
なんか怒っている口調なんですけど!!
ちょっとイライラしているよ。
「これ、あげます」
あたしはカバンの中に入っている“おやつ袋”から1つお菓子をだして“蒼衣先輩”にあげた。
こんなお菓子1つで許してもらえるわけないけどね……。
「本、運んできます」
先輩の前に居たくなかったあたしは急いで小説が置いてある本棚に向かって本を出した。
「秋元さーん、転ばないように」
さっきとは違う、優しい口調に戻りあたしに話しかけてきてくれた。
よかった。
少しは機嫌が直ってくれて。
けど……。
「転びませんっ!」
「秋元さんって“おっちょこちょい”だからね」
「おっちょこちょいじゃありませんからっ!」
こんなムカつくような人が図書委員長って絶対おかしい。
やっぱり福島先輩のような人が委員長に向いているよ、絶対!


