いつもより長い午前中の授業を受け、梓と一緒に3年生の教室に向かった。
「福島先輩と蒼衣先輩って同じクラス?」
「うん、同じクラス…」
忘れていたけど…
福島先輩の教室に行くと言うことは、蒼衣先輩に会うと言うこと。
数日振りに会う蒼衣先輩。
教室にいるかなんてわからないのに今からドキドキする。
けどそれと同時に福島先輩への罪悪感。
「あっ!」
あの黒髪は遠くからでもよくわかる。
窓際で友達と仲良さそうに話している蒼衣先輩『は』いる。
あたしといる時とは違う笑い方。
友達の背中をバシバシ叩きながら笑っている。
「蒼衣先輩発見!」
梓の嬉しそうな声が聞こえたのか、あたしたちに気付いた。
友達に何か断わってあたしたちの方に近づいてきてくれた。