「屋上って始めてきた」
国語準備室を出た後、真っ直ぐ屋上へ向かった。
屋上には誰1人居ない。
あたしと梓だけ。
「夏帆?」
「ん、なぁに?」
「やっぱり何かあったの昨日?」
「何もないよ。ただボーッとしていただけ。
それよりどうしと如月さんとケンカしたの?」
ゴメンね。
まだ梓には話せないよ。
今は如月さんと早く仲直りしな。
「藤なんて知らないっ」
プイッとそっぽを向いてしまった。
…………可愛いなー。
感情表現がこんなに豊かな梓を見ていてるとあたしは自分の感情をしっかり表現出来ているのか不安になる。
福島先輩と一緒にいるあたしはどうなのかな?
ちゃんとあたしの気持ち、伝わっていたのかな?


