蒼衣先輩があたしを送っていく…

送っていく…



「あたし自転車なんで大丈夫ですって。
蒼衣先輩に迷惑かけられません」


「ん、いいよ。
俺もちょっと秋元さんの家の方に用事あるし」


「そうと決まれば行くか」と言い出して帰る準備を勝手にはじめた。



あたしの中ではまだ決まった訳じゃないのに…


どんどん片付けを進めて蒼衣先輩は後はカバンを持てば終わりの状態になっていた。



「帰らないの?」


「帰るけど…
片付けは?」


「明日かな」


「先輩はいつも先生に送ってもらっていたのに…
いいんですか?」


「いいよ。
たまには早く家に帰ってゆっくり休んでもらいたいし」



…………もう言い返す言葉がありません。


今日はしょうがないからもう…
蒼衣先輩と帰ろ。


用事にでも付き合ってあげよ。