そう言って頭をあげたその瞬間だった。



ギュッ…



「………えっ」



勢いよく三井くんに抱き締められた。

突然の出来事に頭の整理ができない。



「み、三井くん…」


「俺さ」



震える私の声を遮って三井くんが話し出す。



「本当に一目惚れだったんだよね」


「……っ」


「佐野の弟と同じ学校の制服着た、凄い綺麗な人に」


「……」



三井くんの心臓の音が聞こえる。