私は静かに席に座り直し、教室から出ていく健人くんの姿を目で追った。



健人くんがいない教室は危険だらけだ。


まず、第一の危険ーーー



「美怜〜!」


「……っ!?」



三井くんだ。

それにしても今、



「み、美怜って…」


「そう!こっちのが仲良さそうに聞こえるでしょ!」



男子から下の名前で呼ばれる事に免疫のない私には有害だ。

ましてや、秘密を握ったクラスメイトにーーー



「…?美怜?どした?」


「い、いや、何もない」





何もない訳がないだろ!!!





本当に三井くんは危険だ。