「ただいまーーー」



家に帰ると、玄関には新しい学校のブレザーやら指定バッグやらが山積みになっていた。



「おかえり!今から美容院行くわよ」



朝はあんなに反対していたはずだったお母さんも、私が男子校へいくのになぜか乗り気だ。



「さらしとかも巻かなきゃバレちゃうわよね…」



そう言い、手にしている買い物袋から、さらしを取り出し、私に見せる。



「…結構賛成してるんだ?」



私は楽しそうに新しい学校の持ち物を漁っているお母さんに言った。



「慣れれば平気かなって思ってね。開き直れば大丈夫よ」



説得力も何も無いーーー。