ぼーっと考えていた私に佐野くんは声をかけた。



「どうしたの?今日おかしいよ?」


「あ、あのね、佐野くんに言わなきゃいけない事があって…」




誰も話しかけてくれない中、彼だけが唯一話しかけてくれたんだ。

感謝の言葉くらい述べておかないとーーー




佐野くんはじっと私の目を見る。



「私ね、転校する事になったの」


「…!?」



その言葉を聞き、佐野くんは目を見開いた。



「え、まじ?」


「明後日くらいにはもう向こうの学校に行けって」


「急すぎじゃん」



私が想像していたよりもかなり動揺している佐野くん。

そんな姿に好意を覚えた。